新型コロナウイルス対策関連の大学寄付情報について(雑感)

コロナ禍にて大学の学生支援は喫緊の課題ですが、その課題の解決のために寄付金の募集を始めている大学はあるだろうか。

そんな疑問から、日本ファンドレイジング協会大学チャプターのサイトにて、新型コロナウイルス対策関連寄付金情報の掲載を始めたのが4月26日。

新型コロナウイルス対策関連寄付金情報の掲載を始めました - 日本ファンドレイジング協会大学チャプター

それから2週間経ちました。

 

5月10日現在、掲載大学数は18大学。主に大学チャプターメンバーから情報提供を受けて、掲載しています。

掲載していくうちに「この情報をまとめておくと興味深そうだ」と思い、雑感ながら記録を残すことにしました。

 

大学の内訳

掲載したのは、18大学。内訳は、国立12、私立6。

具体的には、掲載順に、大阪大学(国)、東京大学(国)、広島大学(国)、早稲田大学(私)、東北大学(国)、島根大学(国)、沖縄科学技術大学院大学(私)、山形大学(国)、徳島大学(国)、鳴門教育大学(国)、北海道大学(国)、名古屋大学(国)、新潟大学(国)、琉球大学(国)、名城大学(私)、上智大学(私)、法政大学(私)、龍谷大学(私)。

 

なお、国立大学ファンドレイザーの方が、大学チャプターメンバーに多く登録していることが関係しているかもしれません。

寄付の使途

今回、掲載している寄付金情報の使途はすべて「新型コロナウイルス対策関連」ですが、その内容は大学により様々です。

  • 経済的に困窮している学生の包括支援
  • 学生への奨学金など
  • オンライン授業実施支援(PCやWi-Fi貸与等)
  • 学生が感染した場合の療養支援
  • 対コロナ医療支援
  • 対コロナ研究開発支援

「学生支援」が大半ですが、その内容について詳細な記述があるかどうかは、かなりばらつきがありました。

病院がある大学では「医療支援」の寄付募集も(大阪大学東京大学)。大阪大学では医療資材フルフェイスシールド専用フレーム大量生産のためのクラウドファンディングが注目を集めました。

izmy2009.hatenablog.com

さらに、大阪大学では「対コロナ研究開発支援」も使途に含めています。

緊急度では「学生支援・医療支援」のところ、ネクストステップを見越して研究開発を盛り込んでいるのはさすがだなぁと感嘆しました。

目標金額・寄付額

「緊急支援のための募金」としながらも、受け皿は既存基金の枠組み内で、としている大学がほとんどのため、目標額や(寄付者からの)寄付額について、明記されていない大学が多くありました。

明記されている大学では1口10,000円〜1口100,000円。

またクラウドファンディングを実施している大阪大学(フルフェイスシールド)、徳島大学鳴門教育大学では、3,000円〜1,000,000円のアラカルト方式。

東京大学では、サイトでは明記されていませんが、「寄付する」の画面では「10,000円、50,000円、100,000円、任意の金額」と表示されます。

募集期間

記載がない、あるいは「期間を定めていない」としている大学が大半でした。

記載している大学では、6月中旬あるいは6月末までが多く、最長で7月31日まで(法政大学)でした。

おわりに

使途内容を決めてから募集している大学と、ひとまず募集を開始して使途は同時並行で検討していると思われる大学、既存支援(奨学金等)の財源強化のために改めて呼びかけている大学など、大学によってさまざまであることがわかりました。

情報提供をいただいた大学以外の大学につきましても(多くはないですが)ちらほらを拝見しました。新型コロナウイルス対策での学生支援の具体策を発表し、それに付随する寄付金の募集について言及されていながら、寄付金サイトへリンクされていない、大学トップページから寄付のサイトが見つからない、寄付の呼びかけが学内教職員向け・・・といった大学を拝見しました。「母校では寄付を募集しているのだろうか」などと興味を持った方がスムーズに寄付受付のページまでたどり着くための、ひと工夫も大切だと改めて感じました。

 

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