学生食堂「山食」のクラウドファンディングがアツい理由

私のFacebookで「山食」のクラウドファンディングが友人から繰り返しシェアされ、書かねばという謎の使命感が沸きました!

 

三田と言えば「ラーメン二郎」と「山食」

慶應義塾大学の三田キャンパスにある学生食堂「山食(やましょく)」。三田キャンパス出身でない私(湘南藤沢キャンパス出身)でも、三田といえば「ラーメン二郎」「山食」。なぜかその文字を見ただけで、「若き血」(応援歌)を聴いた時と同じようなアドレナリンというか、特別な感情が湧いてきます。

 

そんな山食の存続に関わる悲痛な訴えがクラウドファンディングから伝わってきます。

camp-fire.jp

 

新型コロナウイルス感染症の影響で、多くの大学では春からのキャンパス閉鎖を余儀なくされました。学生食堂への影響も大きく、通常の営業に加えて、パーティーも行えない状況のため、厳しい経営をしているところが多いと容易に想像できます。

経営を続けるために山食は銀行からの借入を行いました。

ただし、今の状態が続けばその資金も半年以内にショートします。
これ以上の借入も、難しいという状況です。

(引用元:https://camp-fire.jp/projects/view/359922 )

 と、かなり経営が逼迫していることを訴えています。

開始数時間で目標達成、ニュース記事にも

山食では2020年12月14日にcampfireでクラウドファンディングをスタート。すると開始数時間で目標額500万円を達成したとのこと。さらに支援額は伸び続けていて、12月19日現在、2500人を超える人々から2600万円超え、500%超えの支援が集まっています。すごい・・・

目標額を達成のニュースは、Yahoo!ニュースの記事にもなりました。

news.yahoo.co.jp

 

12月19日現在、campfireのトップサイトで、「人気上昇中のプロジェクト」と「人気のリターン」にランクイン!

f:id:izmy2009:20201219211935p:plain

 

まるで、以前の大阪大学クラウドファンディングを見ているようで、目が離せません!

izmy2009.hatenablog.com

 

アツい理由を私なりに分析してみました。

その1:オール慶應で応援とアツい

クラウドファンディングが始まると、慶應塾生新聞が記事を掲載し、塾生(慶應義塾大学生)へ支援を呼びかけました。

www.jukushin.com

また、12月15日に発行された慶應義塾メールマガジンでも、クラウドファンディングについて紹介。メルマガを見て今回のクラウドファンディングを知った、という塾員(卒業生)からの声が聞かれました。

https://www.keio.ac.jp/ja/contents/mail_magazine/2020/216.html

そしてSNSでの拡散。自分の身近でもFacebookで繰り返し流れてきたくらいなので(慶應義塾高等学校が甲子園に出場したとき以来の拡散力)、多様な塾生・塾員コミュニティに拡散したことが推察されます。

 

その2:支援者層は「卒業生の熱心なファン層」とアツい

支援メニューは500円、10000円、30000円、50000円の4つ。

 今回、一番定額の支援メニューが500円とかなりリーズナブルなのは、学生を対象にしてのことでしょう。リターンメニューの説明にも「山食で使用できる1食分の食券をメールにてお送りします」とあり、現役学生を意識していることが伺えます。

そうしますと、卒業生は10000円、30000円、50000円から選ぶことになります。寄付のファンドレイジングのセオリーでは支援人数は支援額の低いものが一番多くなる傾向があります。10000円→30000円→50000円となるところが、10000円→50000円→30000円の順というのが興味深い。

この支援者数から、「現役学生より卒業生の方が支援している」「最高額寄付メニューを好む熱心なファン層がいる」ことが伺えます。

 

その3:「恩返し」がアツい

谷村社長は、山食を支えるだけではなかった。夏休みの期間は、体育会の山梨県の山中湖の山荘にも出張。体育会蹴球部(ラグビー)、アメリカンフットボール部、ソッカー部、自転車部など各部の合宿の食事を平成15年(2003)まで49年間作り続けた。

(引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/545c2f7c4b5a136614cefddf7a9917e55ed5902d?page=1

学生食堂として日常の学生の昼食を支えるだけでなく、体育会学生の合宿の食事を実に半世紀作り続けたという谷村社長。「あの時お世話になった」という卒業生が多くいることは、クラウドファンディングサイトの支援者コメントからも伺えます。

今回は厳密には大学寄付ではありませんが、大学寄付の特徴は「学生時代に受益者であり、卒業後に支援者となる関係性」。今回の事例も「恩返し」の賜物と言えるでしょう。

クラウドファンディングは2021年1月25日まで。人数と金額がどこまで伸びるか、引き続きチェックしていきます!

 

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