ファンドレイジング研修「もったいないを寄付につなげ仲間を増やすファンドレイジング」に参加して

2018年5月19日(土)午前、ファンドレイジング選択研修に参加しました。

 

テーマは「もったいないを寄付につなげ仲間を増やすファンドレイジング」。

講師は上嶋佑樹さん。特定非営利活動法人シャプラニール=市民による海外協力の会

で、渉外と「ステナイ生活」の担当をされています。

 

今回は、シャプラニールの物品寄付「ステナイ生活」の事例をお話いただきました。2013年度から2017年度の5年間で物品寄付額が2.7倍となり、2017年度には6400万円を超える収入に。まずはその収入額に会場がどよめきました。

物品寄付とは使用済のものや不要になった物を寄付してもらう支援のこと。受け取った物品をそのまま使用することで支援活動を行う場合と、受け取った団体で換金して支援活動を行う場合があります。

今回は、受け取った団体で換金するケースでした。

集めている主なものは、はがき・切手・貴金属・商品券・本・CD・カートリッジ・家電など。

今回、初めて知ったのは、集めた本はブックオフに売り、売れた金額がシャプラニールへの寄付となるだけでなく、別途ブックオフコーポレーション株式会社から売れた金額の10%が上乗せされて寄付されているとのこと。

へぇ・・・と思い、ブックオフのサイトを調べてみました。

www.bookoffonline.co.jp

提携団体は約40件。提携団体が多くなってくると、選ぶのに時間がかかってしまいそうです。

同様に、家電はecofaに売ると、売れた金額の10%が上乗せされて、寄付される、とのこと。こちらのサイトも掲載。

kaitori.ecofa.jp

こちらの提携団体はまだ4件なので、寄付先を選ぶのにはそれほど時間がかからなそう。

さて。

物品寄付のメリットとデメリットをグループで考え、発表しました。

【メリット】(主なもの)

  • 寄付への心理的ハードルが低い。
  • 人を巻き込みやすい。
  • 子どもでも取り組みやすい。教育効果がある。
  • 寄付者は身の回りの不用品を処分できる(断捨離できる)。
  • 通常の寄付では団体を知る→共感する→寄付をする、の流れだが、物品の場合は共感する→寄付をする→団体を知る、の流れとなることがある。寄付してからその団体への関心を深めることができる。

【デメリット】(主なもの)

  • 管理の手間がかかる(場所・仕分けなど)。
  • 換金までに時間がかかる。
  • 寄付者データ入力に時間がかかる。
  • 物品によっては寄付金額0円、またはマイナス(廃棄コスト)となってしまうことも。

こうしたメリットとデメリットを踏まえ、物品寄付を集める場合には、事前に「集める物品」「換金方法・換金先」「送料負担」「仕分けボランディアの確保」などを決めておくべきとのことでした。

支援者へのアプローチは、チラシ・ポスター・webに加え、「時期に合ったプレスリリース」がありました。例えば、郵便料金が値上げになるニュースが出ている頃に"「あなたのはがきが、だれかのために。」キャンペーン"のプレスリリースをしたところ、多くのメディアに取り上げていただけた、とのこと。時節や時事ニュースに応じて、より多くの人々にリーチする、素晴らしい戦略だと思いました。

仕分け作業に欠かせないボランティアへの関わりについても、しっかりと実践されている良い事例を教えていただきました。

 

最後に、今回の気づき。

物品寄付は比較的取り組みやすい寄付活動である。ただし「人手」を必要とする。その「人手」も含めての設計が成功の鍵となる。

 

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