集めた寄付金をいかに活用するか〜スチュワードシップ!
ファンドレイジングは、寄付金を集めて終わり、ではなく、集めた寄付金をいかに活用するか。その寄付を受けた(受託)責任を意識して集めないと意味がありません。
スチュワードシップ解説動画 by ファンドレイジング・ラボ
ファンドレイジング・ラボの徳永さんが、スチュワードシップを解説する動画を先日公開しました。
ちなみに、ファンドレイジング・ラボのどの動画も、ファンドレイザー必見な内容ばかり!
以前、ファンドレイジング・ラボのサイトで目にしたこちらの記事「スチュワードシップ」について、動画でも丁寧に説明されています。
スチュワードシップ。日本語直訳では「受託者の責任」、となります。
寄付者に感謝し、寄付金に込められた思いに沿って有効に使い、そのことで社会課題をどう解決できたのかを評価し、寄付者に報告。「ファンドレイザーの責務を表す言葉」と、徳永さんは強調しています。
徳永さんはさらに、スチュワードシップを「お礼」「倫理を守る」「評価」「報告」「次のお願い」の5つの要素に分けています。
「倫理を守る」
スチュワードシップを表す5つの要素の2番目、「倫理を守る」。使途を勝手に変更しない。ファンドレイジング行動基準を守る。「当たり前」と思いがちですが、寄付を集めること"だけ"に注力してしまうと、気が緩みがちな要素。
他の4つの要素と異なり、寄付者からは(「当たり前」と思っているからこそ)見えにくい部分でもあります。だからこそ、認定制度等を通じて、啓発する必要があると、改めて感じました。
大学寄付とスチュワードシップの事例
最近の大学寄付関連で、スチュワードシップに着目して2つご紹介。
(1)大阪大学
先日、大阪大学から、クラウドファンディングへの感謝状、活動報告、寄付者一覧が自宅に郵送されてきて、そのクオリティの高さに感嘆しきり!
寄付期間中もサイトで活動報告を目にしていましたが、今回の郵送では、活動全体を網羅している内容が写真や図などを入れてわかりやすく紹介され、非常に充実。
このクラウドファンディングは勢いでブログを書き上げたほど私の中では印象深く、改めて寄付した時の熱い想いまでこみ上げて、「寄付して良かったあ」としみじみ感じたのでした。
スチュワードシップの「お礼」「評価」「報告」がバランスよく盛り込まれ、知人にも紹介したくなるような内容でした。
(2)国際基督教大学
コロナ禍関連の緊急支援募金を多くの大学で実施しました。その後、この寄付金をどのように活用したのか、国際基督教大学(ICU)をご紹介。
ICUでは当初の目標額2500万円を大きく上回り、セカンドゴールの7500万円を超え、最終的には約8100万円の寄付が集まりました。
8月31日までの募集期間で、翌9月1日に報告とお礼を大学ウェブサイトに公開。このスピード感は脱帽です。
受給学生の声も掲載。学生さんからの生の声が感謝の気持ちを誠実に表しています。
ICUではスチュワードシップの「お礼」「評価」「報告」に、「次のお願い」が含まれています。「お礼」「評価」「報告」の内容が充実していると、「次のお願い」に抵抗感なく受け入れられますね。