2019年の寄付に関するニュース振り返り〜災害支援編
12月は寄付月間です。
2019年の寄付に関するニュースを振り返ります。
今回は災害支援編です。
- 焼失した首里城の復興再建にむけた寄付金が集まる
10月31日未明に起きた首里城火災は正殿をはじめとして少なくとも7棟が全焼しました。火災の模様は朝のニュースで生中継され、様子が気になりながら仕事へ向かったことを覚えています。
沖縄タイムスでは、首里城再建に向けた寄付の記事を細やかに掲載しています。企業・アーティスト・学校・地域の団体・外国(大使館)・・・様々な方が再建に向けて応援しています。金額は11月30日の記事によると13億円を超えたそうですが、さらに増えていることが伺えます。
- ノートルダム大聖堂の火災、復興に向けて1000億円超集まるも実際には1割程度か
4月15日から16日かけてパリにあるノートルダム大聖堂で大規模な火災が発生しました。フランスの歴史の象徴とも言える建物で起きた火災の模様はニュースで繰り返し放送され、世界に衝撃が走りました。再建を望む世界中の人々からの寄付は約9億ユーロ(約1100億円)に上っているそうですが、一方でこんな気になる記事も。
AFP社の記事を引用します。
一方、寄付金については、フランス国内の著名な実業家や一般市民から総額約8億5000万ユーロ(約1030億円)の申し出があったが、これまでの実際の寄付金額は約10%にとどまっている。
公共ラジオ局フランス・アンフォ(France Info)によると、寄付されたのはたったの8000万ユーロ(約97億円)で、募金活動が成功したとみて、申し出た寄付金の一部のみを支払った実業家や、寄付の約束を撤回した個人もいるという。
あまりにも急に寄付金が集まると「自分のお金は必要ないだろう」と考えて撤回する人が一定数いる、ということがこの記事から伺えます。寄付金は申し込みベースで発表されることが多いと思いますが、数字を挙げることがネガディブに作用した実例として興味深いです(個人的には寄付の撤回は残念ですが・・・)。
- 災害支援にふるさと納税の活用が定着
自然災害では台風15号・19号での広範囲にわたる甚大な被害が記憶に新しいです。被災地支援の手段として返礼品のない「ふるさと納税」が定着してきたという記事を2つ紹介。
首里城再建への寄付も、ふるさと納税による寄付が全体の半額を超えているようです。
ふるさとチョイスではガバメントクラウドファンディングを開設、わずか2日間で目標額の1億円を突破。この記事を書いている12月22日時点で8億円に迫る勢いです。ガバメントクラウドファンディングとは?
自治体が抱える問題解決のため、ふるさと納税の寄附金の「使い道」をより具体的にプロジェクト化し、そのプロジェクトに共感した方から寄附を募る仕組みです。
引用:ふるさとチョイス ガバメントクラウドファンディングのサイト
ただし、被害が頻繁に報道されている地域に寄付が集中し、寄付が集まる自治体と集まらない自治体の差が広がるという指摘がされています。
今回は災害支援のニュースの功罪について自分なりにまとめると。
- 痛ましい災害の被害の報道により、寄付が短期間に集まる。
- ただし、大口寄付などの寄付申し込みの報道が先行すると、実際の入金に至らず撤回する人が出てくる。
- 広範囲の自然災害の場合、頻繁に報道される地域と報道されない地域で集まる寄付に差が出てしまう。