匿名寄付と寄付主体について〜山田ゼミに参加して

寄付のためにNPOの信頼性向上に取り組んでいる非営利組織評価センターに所属している山田泰久さんが実験的に実施しているゼミ、(勝手に)通称「山田ゼミ」(寄付月間2020認定企画)。

10月に初回があり参加させていただき、11月の2回目にも参加しました。

(10月の記録は別途、近々アップできればと考えています。)

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ゼミは複数の課題の中から一つ選んで掘り下げるもので、今回は2つのテーマが設定されました。

課題1 プレゼン資料「大学ファンドレイジングを考える」から学ぶ。

課題2 寄付してもらったお金はどこからきているのか?寄付金の出元を考える。

私は課題2を選択。

事前課題として、非合法で得たお金を慈善団体に寄付したことを犯罪者集団が公表した件、薬害被害者を出した製薬会社からの資金源による財団からの寄付金の受取をめぐる件、数年前に発生したNGONPOに対する振り込め詐欺に関わる件、大学業界で話題となった海外有名大学での寄付をめぐる件、経歴詐称疑惑のある人物からの多額の寄付金をめぐる件・・・と、盛りだくさん。

私は団体の「状況次第ではいただいた寄付金を返金させていただくことがあります」という毅然とした態度が必要だと考えました。こういう趣旨のお金はありがたくいただきます、でも趣旨に反するお金をいただくことはできません、と。さらに、高額寄付金申込を受ける際には、誓約書を受け取るまたは契約書を交わすのが良いのではないか。

でも一方で、「いただいた寄付金の出元が白なのか黒なのかグレーなのか、どのようにしたら分かるのか?」という指摘があり、うーん、そうだよなぁ・・・と思考停止気味に。

 

今回の議論のポイントは2つあったのでは、と思うのです。

1つ目は、「匿名寄付をどう受け入れるか」。

匿名寄付。 氏名や住所などの個人情報を寄付先に伝えないまま寄付をすること。

これを「原則受け入れる」か、「原則受け入れない」か。

2つ目は、「寄付する側の立場が主体」か、「寄付される側の立場が主体」か。

寄付する側からは、「できるだけ簡単に寄付したい」「個人情報を伝えたくない」「寄付先から連絡はいらない」「寄付の出元について詮索されたくない」など。

寄付される側からは、「寄付の意向を確認したい」「確実に領収証を届けたい」「2回目以降の寄付につなげたい」「どんなきっかけで寄付することになったのか知りたい」など。

 

この2つのどちらに重きを置くかで、団体としての対応が分かれ、正解のない答えとして議論がこれからも続くように感じました。

 

異分野の方が集まる山田ゼミは、参加すると自分の固定観念や深層心理が炙り出されます。非常に刺激的ですし、脳が結構疲れます・・・!

実験的実施とのことですが、今後も開催の折には参加したいです。

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