Zoom勉強会「大学と遺贈寄付」に参加しました

映画「コンフィデンスマンJPプリンセス編」を観ました。

あらすじ。

世界有数の大富豪フウ家の当主レイモンド・フウが亡くなった。
遺産を巡り火花を散らしていたブリジット、クリストファー、アンドリューの3姉弟の前で執事トニーが発表した相続人は、誰もその存在を知らない隠し子“ミシェル・フウ”だった。

STORY | 映画『コンフィデンスマンJP プリンセス編』公式サイト

遺産を巡る争い・・・「犬神家の一族」など、小説や映画などでもお馴染みのテーマです。

 

今や被相続人1人あたりの相続人数が減少したり、配偶者や子がいない被相続人が増加したりと、"財産を遺したい相手がいない"ケースも少なくないそうです。

 

2020年7月27日(月)、大学チャプター勉強会「大学と遺贈寄付 ~これだけは押さえておきたい遺贈のポイント & 事例紹介」に参加しました。

今回の勉強会は2部制。参加者は約50人と盛況でした。

第1部は全国レガシーギフト協会理事の齋藤弘道さん(遺贈寄附推進機構株式会社代表取締役)からの解説。

遺贈とは、生きがい、究極の自己実現、財産の受け皿という3つの意義があると言われています。

遺贈に関する意識調査によると、独身で子どものいない人が遺贈寄付希望している割合は42.6%、一方、実際に遺言書に遺贈寄付を記載している人の割合はわずか1.3%。他のケースも同様で、意識と行動の間に、かなりのギャップがあります。

寄付者には、遺言書を書くのが煩雑、どこに寄付したら良いのか分からない、誰に相談したら良いか分からない、という課題があるそうです。

受入側の団体側には、「寄付はほしい」けど・・・リスクへの不安、取り組み方が分からない、法律や税金状の課題が何か分からない、という課題が。

そうした課題の一つ一つを解決していくために、全国レガシーギフト協会では受入団体への研修や啓発活動を行っています。

受入団体側に必要なこと。斎藤さんが強調されていたのは、「良く分からないまま遺贈寄付を受けない」。受入体制を整備するには、リスク整理認識、マニュアル、マーケディング戦略、長期的フォローなど多々あります。「遺言書は作って半分」。遺贈について興味をもつのは大体50代からで、最初の遺言書を作成してから遺言書の執行まで約20〜30年。長期間にわたり寄付者と相続人とも良好な関係性を継続する丁寧なコミュニケーションが求められます。

丁寧に解説をしてくださり、初心者の私でも非常にわかりやすい内容でした。

全国レガシーギフト協会では日本初の遺贈寄付キャンペーン“遺贈寄付ウィーク2020”を9月に開催するそうです。こちらも参加してみて、理解を深めたいなあと思いました。

 

第2部は大阪大学の事例紹介。大阪大学には遺贈専門スタッフがいて、士業や金融機関との連携により、遺贈相談を受けることが多くなっているそうです。興味深かったのは、「遺贈が大阪大学への初めての寄付となる寄付者が一定数いる」こと。これまで、ドナーピラミッドの頂点が遺贈、つまり、複数回の寄付を経て、最後に遺贈という形で寄付をしてくださる方ばかりなのかと思い込んでいたため、意外でした。

 

遺贈はセンシティブな話であり、またある程度の法的な知識がないと対応できませんが、前半に書いた「究極の自己実現」でもあります。寄付者から「最後に◯◯へ寄付したい」と思っていただくための、たゆまぬ努力が重要だと、改めて身が引き締まる思いでした。

 

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