Zoom勉強会「URAとFRの協働を考える」に参加しました

 

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葛飾北斎の絵とURAの関係とは・・・

2020年6月15日(月)、「URA(大学リサーチアドミニストレータ)とファンドレイザーの協働を考える」に参加しました。

3月17日に予定していたところ、新型コロナウイルス感染拡大のため中止とした勉強会をZoomで実施。

URAとは。私も分かったような分からないような状態でしたので、文科省のサイトを調べました。

 

文科省では、「科学技術関係人材の育成・確保」の一つとして、URAの育成を挙げています。勉強会タイトルでは「リサーチアドミニストレータ」としていますが、文科省では「リサーチアドミニストレーター」ですね。表記揺らぎがあります。ここでは文科省のサイトからURAの定義をご紹介。

<URA とは>
⼤学等組織全体を俯瞰しながら,学術的専⾨性を理解しつつ,⾃⾝の業務に関する専⾨性とセクターに偏らない能⼒を駆使して,多様な研究活動とそれを中⼼に派⽣する様々な業務に積極的かつ創造性をもって関わり,研究者あるいは研究グループの研究活動を活性化させ,組織全体の機能強化を⽀える業務に従事する⼈材。 

 引用先:令和元年度科学技術⼈材養成等委託事業「リサーチ・アドミニストレーターに係る質保証制度の構築に向けた調査研究」成果報告書

 

勉強会ゲストスピーカーの古宇田光さんは東京大学シニアURA。

古宇田さんから、大学の研究予算が多額になり、「研究をする教員」「研究以外をする職員」と機能の分岐点があった、と説明がありました。

大学に求められる価値は、従来の「教育・研究・人材育成」に「社会創成インフラ・ビジネスパートナー」が追加。大学は多様な価値を"交換"する存在へ(ここで価値を"提供"ではなく"交換"と表現しているのも興味深い)。

「研究以外をする職員=URA」に求められる業務は多岐にわたり、求められる能力も「高度な専門性を持ちつつ俯瞰的な理解で考動し、研究者・管理事務部門・企業といった多様なステークホルダーを繋ぐ」・・・と、なかなかな高度専門職ではないでしょうか!?

こうした人材の確保と質の保証が当然求められます。そこで東京大学では経験とスキルに応じて「URA」「シニアURA」「プリンシパルURA」と認定制度を設け、研修を行っているそうです。

 

今回のテーマは「URAとファンドレイザーの協働を考える」、ですので、URAの業務のうち「研究資金を調達する」ことについて掘り下げました。

古宇田さんから、URAの立場として、「研究開始時」「事業継続時」「社会実装時」といったチャンスにどの資金を選択するか、その見極めが重要とのこと。具体的な活動としては、研究コミュニティーを形成したり、科学の見える化をしたり、人材育成をしたり・・・と多様なアイディアを提供いただきました。

さらにコロナ禍でのニューノーマル(新たな常態・常識)は、URAとファンドレイザー協働のコラボのチャンスでしょう、と今後に期待を寄せるお話で締めくくり。

お話を伺いながら、URAの研究資金調達に、ファンドレイジングの「ステークホルダーピラミッド」の視点、つまり「潜在的支援者」「支援者」「主体者」を重ねたら、すべきことがよりクリアになりそうだな、と感じました。

 

続いてのブレイクアウトセッションでは、4〜5人のグループに分かれて話をしました。

今回、ディスカッションメモをGoogleドライブに用意して書記の方に話しながら入力していただく、ということにしましたが、若干手間取りました。人数が多い中で話をしてそれを全体に効率よくシェアする方法、もうひと工夫必要そうです。運営側での反省点。

グループ発表の時間には、大学内での温度差や「どのようにして研究の知名度を高めていくか」といった悩みの共有がされました。大学間の温度差や文化の違いもあるため、「こうすれば絶対うまくいく」という解決策はありません。東京大学のようなロールモデルを参考にしつつ、各大学の特徴や問題点をまず「見える化」していく、そこから解決策を探りプロトタイプを回して成功体験を重ねるのが大事だと改めて思いました。

久しぶりの勉強会だったためなのか、2時間Zoomを使ったためなのか・・・終了後は疲労困憊でした。

 

あ!なぜ、冒頭に葛飾北斎の絵を紹介したかというと・・・canvaの無料写真で今回のテーマに近い写真を探そうと「URA」と検索したら、"Kanagawa oki nami ura"ということでヒットしまして・・・大したオチでなくてすみません。

www.jfraac.org