ドナー・リレーションズとスチュワードシップ(2)

ドナー・リレーションズとスチュワードシップ(1) - 始まりの景色

続きです。

 

今までの検索方法が良くなかったのでしょうか?

 

前の記事を書いてから急にスチュワードシップについて、なるほど!となるサイトを見つけることができるようになりました。

fundraising-lab.jp

ファンドレイジングにおける「スチュワードシップ」という言葉の意味は、寄付者に感謝して、寄付者との約束を守って、寄付者の期待に応えるように寄付金を有効に使い、それをきちんと報告して、次の支援につながるようにするということ、しかもファンドレイジングを成功させるものという以上に、ファンドレイザーの寄付者に対する責務だと教わりました。

引用元:「スチュワードシップという考え方」http://fundraising-lab.jp/archives/1345

 

こちらのペーパーも。

東大ー野村 大学経営ディスカッションペーパー No.06「高等教育機関のための寄付募集入門ーアートとサイエンスー」2008年7月 ウィリアム・S・リード、ビバリー・D・リード、片山英治・小林雅之・劉文君 訳

http://www.he.u-tokyo.ac.jp/wp-content/uploads/2013/01/discussion6.pdf

寄付の確認と記録のプロセス:成功を収めた寄付募集プログラムでは、必ず寄付者への謝意表明と寄付の適正な記録を行うことの重要性が認識されている。これは、寄付者と大学との間で長期的かつ持続的な関係を維持するために寄付者のスチュワードシップの一環として行われるものである。スチュワードシップ活動の種類としては、寄付者向けに寄付金の使途に関する年次報告書を作成すること、アニュアル・ギフト報告書に寄付者氏名の全一覧を掲載すること、寄付者からの奨学金を得た学生にお礼状を書かせることなどがある。  

引用元:「高等教育機関のための寄付募集入門ーアートとサイエンスー」14ページ

 

つい先日参加した勉強会の後に食事に行った際にも、「ファンドレイジングとは、寄付金を集めて終わり、ではない。集めた寄付金をいかに活用するか、その受託責任を意識して集めないと意味がない」「・・・それがスチュワードシップ!」と盛り上がったのでした。

というわけでちょっとすっきりしながら、"Journal of Donor Relations & Stewardship: Book1: Definitions"を読み進めています。原文が英語なので辞書を引きつつ。

そして次に度々出てくるキーワード"Recognition"(レコグニション(またはリコグニション ))。直訳すると「認知、認識」となりますが、これもよく分からない。

ううーん・・・とあれこれ調べてみました。

本を出版している"Journal of Donor Relations & Stewardship"のサイトに用語解説があります。

Recognition is the ongoing and official demonstrations of appreciation, both public and private that communicate to the public and donors alike the value placed on philanthropy. 

引用元:Journal of Donor Relations  & Stewardship: Glossary

ざっくり訳すと、レコグニションとは、寄付者への謝意表明。公私両面にて、継続的にかつオフィシャルに謝意を示すこと、とのことです。

ちょっと近いかな・・・という日本語での解説を見つけました。

リコグニション【recognition】
カスタマー・ボンディングの重要な要素の1つで、顧客やドナー、後援者などの立場を認知すること。リコグニションには、プレステージ(VIPフリークエント・フライヤー・クラブ)や、専用のコミュニケーション・チャネル(メンバー専用のホットライン)、人事による特別待遇、特別サービス、そして特別オプション(選択売買権)などがある。

引用元:DBM用語辞典

本の中では(ようやく本文に触れることができる)、このレコグニションの内容を一覧表にして整理しています。寄付者名の掲載、銘板、感謝状、主要メンバーとの面会、記念品、感謝イベントなど。

この中で興味深かったのは感謝イベントについて。本の中では「お金をかけて行う大規模なイベントが必ずしも満足度を生んでいるとは限りません。」と書かれていました。またウェブサイトで行われる寄付者名の掲載について。更新しやすい手軽さの反面、寄付者がそのサイトをあまり見ている訳ではないと、掲載効果を疑問視していました。

本文がだんだん面白くなってきたので、遅々として進まず状態ですが、もう少しこのシリーズ、続けたいと思います。

Journal of Donor Relations & Stewardship: Book 3: Structure

Journal of Donor Relations & Stewardship: Book 3: Structure