グローバルチャプター勉強会「IFC2019参加報告会」に参加しました(2)

グローバルチャプター勉強会「IFC2019参加報告会」に参加しました(1) - 始まりの景色

の、続き。

マスタークラス

IFCではマスタークラスと呼ばれる集中セッションが、1日目午後から2日目午前にかけておこなわれます。

今回参加した浅井さんは「支援者との関係性」、間辺さんは「戦略マップ」を受講。

「支援者との関係性」をトピックとしてクラスのタイトルは"Relationship Fundraising 3.0"。なぜ3.0なのかというと、1.0はドナーコミュニケーションについていくつも著書を刊行しているKen Burnettさんが支援者との関係性の重要さを説いたから。余談ですがKen Burnettさんが出版している本を私が調べていて、"The Zen of Fundraising"という本を見つけました。Zen?禅??気になります。

Relationship Fundraising2.0は、支援者との関係性がどのように見えるか。3.0はさらに進み、支援者がどう感じるか、いかに良い気分にできるかが焦点となるそうです。Relatoinalの対義語がTransactionalとなると、支援者との関係性で強調したいポイントがわかりやすくなりました。

面白い話が続いたので、印象的な内容をピックアップ。

  • 支援者を知ることを「相手をデートに誘う」とイメージしてみる。相手の興味があることは何か?最初にどんな質問をすると良いか?
  • 支援者が法人か個人かでも関係性は異なる。法人は団体の信頼性を重要視し、個人は受益者への共感を重要視する。
  • "You"(あなた)へのお礼、を受けると、受け取った側は常に気分が良い。
  • 長い時間をかけて支援者の満足度を上げる。

続いて間辺さん。戦略マップのワークショップは、ビジネス寄りのセッションだったそう。リサーチ→分析→driver配置のワークショップを経て、最終的には「戦略マップ」「スコアカード」「スケジュール」を立てる、というもの。

参加した間辺さんのお話から印象的だったこと。

  • 戦略は外部に目が行きがちだが、内部の理解と実行者(責任者)も同様に重要である。
  • ファシリテーターの存在が非常に大事。ファシリテーターがいないと議論が迷走してしまう。

自分の団体に当てはめ「誰がやるか、は本当に大事なんだよなあ」と改めて感じました。

通常セッション

お二人が参加した通常セッションから、数件の内容をシェアしてくださいました。セッションの内容自体は目新しいものがある感じではなかったよう。いくつかの印象に残ったものをピックアップ。

  • ファンドレイジングの成長率。欧米はマイナス。反面、アジアと南米はプラス成長傾向。
  • 外部のコンサル会社などに調査・分析を依頼する場合、その後のinsight(洞察)が重要。せっかくお金をかけた意味がなくなる。
  • social businessとsocial enterpriseは違う。enterpriseはミッションと持続性を大事にする。
  • 社会的課題について、団体の活動目的にたどり着いたことを客観的に測ること(社会的インパクト評価)が必要。

お二人とも、「スライドを直前まで作っていました」とのことでしたが、用意されているスライドは合計100ページ近かったのでは!?2時間ビッシリ、IFC2019のエッセンスを聞くことができました。

 

[写真:ノールトウェイクにあるキューケンホフ公園(IFCが開催していることは残念ながら閉園期間のようですが・・・)]