立命館アジア太平洋大学訪問ツアーに参加しました(3)

立命館アジア太平洋大学訪問ツアーに参加しました(2) - 始まりの景色

の、続きです。

 

学長室に戻りました。入口には記念撮影スポットがありました(これは便利)。

出口学長との懇談

キャンパスツアーが予定時間をオーバーしてしまい、出口学長との懇談時間はわずか20分。

質問について事前にお知らせしていましたが、「なんでもどうぞ」とのことで、いろんな質問をしました。なおその場で咀嚼できなかった部分については、検索して参考として掲載しました。

日本の教育投資
  • 日本の経済成長のためには、「一人一人の労働生産性」を高めることが必要なのは明白である。教育投資は費用対効果があることも明白。にもかかわらず、公財政教育支出の対GDP比はOECD加盟国の中で最下位*1。この現実を大学関係者は正しく発信していく必要がある。
大学ファンドレイジング
  • 政府は教育投資について「民間資金の活用」をうたっているが、参考にしている米国の大学と日本の事情はかなり異なる。米国の大学は行動成長期に資産運用により寄付額を増額させてきた。安易に民間企業からの資金が得られるはずはない。このことを冷静に分析したうえでないと、民間資金活用策はうまくいかない。
世界における日本の大学のプレゼンス
  • 国際比較をすると大学院修了者の割合が非常に少ない*2。海外では、リーダーが修士号か博士号を持っていることがスタンダード。大学院課程の充実を図る必要がある。また、国際認証を取得することで、世界的な文脈の中で自大学のポジションを具体的に伝えることができる。
APUの強み
  • 学士課程に多数の国際学生が在籍していること。経営学と観光学の分野で国際認証を得ていること。卒業生のグローバルネットワークが年々充実していること。
別府(大分県)の観光業
  • 別府はもはや外国人観光客が来ないと成り立たない。しかし現状は情報発信が不十分で、観光資源を活かしきれていないと感じている。そのため、 APU・NHK・JCOMの3社で、大分県の魅力を発信するコンテンツの共同制作を始めた。

 

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葉書サイズでわかりやすい「APUのファクト」
日本の教育政策

バカロレアの大学入学資格の試験問題を知っていますか?」と聞かれ、全く答えることができませんでした。

家に帰ってから改めて調べてみると下記の問題が出題されているそうです。

文化は我々をより人間的にするのか?(人文系の哲学問題)

欲望は我々が不完全であることの証拠なのか?(理系の哲学問題)

出展:2018年のフランスのバカロレアの哲学の問題|Colorless Green Ideas

 

こうした問いを大学入学資格を得る段階(18歳)で論理的に解答をすることができるようになるには、知識と論理的思考(考える力)が必要なのは言わずもがな、です。

「日本の教育政策には"グローバルスタンダード"という視点が欠けている。そこから学べることが多くあるにもかかわらず。」とお話されていたのが印象的でした。

 

また、「大人が"政治ってなんだろう"”社会ってなんだろう"というのを考えていないことが問題。それが投票率の低さや根強い男女差別に表れている。なので、中高生向けに書いた本を大人にも読んでほしいのです。」と近著を紹介いただきました(帰りにAPUの大学生協で購入しました!)

 

「おいしい人生」を生きるための授業

「おいしい人生」を生きるための授業

 

 

出口学長懇談での気づき

ファンドレイジング・スクールで学んだことに絡めますと、キーワードは「右脳×左脳」「社会的インパクト投資」「ポジショニング設計」にある、と感じました。

ずっとモヤモヤしていてなかなか解答が見出せない「教育の中長期的な課題と解決策(アウトカム)・社会的インパクトをファンドレイジングの文脈でどう表現するか?」を今後より一層考えていかないと、と改めて思いました。

 

続きます。

 

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