ファンドレイジング研修「失敗の事例から学ぶファンドレイジングの本質」

2018年12月18日(火)、ファンドレイジングスクール 最後の授業、アドバンス研修に参加しました。

 

「失敗の事例から学ぶファンドレイジングの本質」。講師は日本ファンドレイジング協会代表理事の鵜尾雅隆さんです。

 

NPOは、どんな時に経営やファンドレイジングで「失敗」するのでしょう?

 

というのがメインテーマ。

事前に、ファンドレイジングの失敗例を持ち寄って話をしました。

 

具体例は挙げられませんが、中には「見方によっては失敗とは言えないのでは?」というものも。私が持ってきた事例も、他の参加者から見ると、「目標値が見当違いだっただけで、失敗とは言えないのでは・・・?」と指摘を受けたのが印象的でした。

 

鵜尾さんからも具体例に基づく丁寧な説明を受けましたが、「失敗から学ぶ組織になる」ことの大切さを教わりました。

特にファンドレイジングの観点からは、

  • 寄付がどのように使われるか、その「イメージ」コントロールを丁寧にしないといけない。特にイメージがキャッチーになればなるほど、留意する必要がある。
  • 利益相反」への意思決定プロセスの明確化。営利企業とのキャンペーンを組む場合には、その企業の本来の事業とNPOの事業との間に相反することは無いかを精査する必要がある。
  • 「理事会」での対話と議決。内部の意思決定プロセスを大切にする。

・・・といったことが、NPOの経営を揺るがしかねない大きな失敗を避けることになる、とのこと。

 

一つ一つ、何気ない失敗が時には大きな影響を及ぼす事態にまで発展することの怖さを感じつつ、それでも新しいことに挑戦することの大切さも同時に改めて感じました。

 

たまたま、受講する少し前に読み終えた本が頭に浮かびました。

 

八甲田山死の彷徨

八甲田山死の彷徨

 

 ま、これは極端な事例ですが・・・

多くの局面で、「このタイミングならまだ取り返しがついたのに」と思わずにいられない、あまりにも悲惨な冬山の事故。

鵜尾さんが最後に「失敗した場合、振り返ることが大事です。何が原因で失敗したのか。どういう手立てだったら良かったのか。さらに、そのことを公開できるのであれば、それを教訓に次は失敗しないで済むのです。」という言葉が印象的でした。

 

これでファンドレイジングスクール での学びは一区切り。ホッとしつつ、スクールの皆さんと会える機会が減ってしまうことを寂しく感じながら帰路に着きました。